臨床神経生理学
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総説
脳磁図の臨床応用に関する文献レビュー (第5報) : 脳腫瘍
鎌田 恭輔露口 尚弘中里 信和尾﨑 勇池田 英敏井口 義信平田 雅之亀山 茂樹石井 良平白石 秀明渡辺 裕貴橋本 勲
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2013 年 41 巻 1 号 p. 46-53

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抄録

脳腫瘍の術前診断として, 腫瘍の性状, 局在に加え腫瘍近傍の脳機能マッピングが重要である。しかし, 開頭術前に脳機能局在を確認する方法は未だに十分に確立していない。現在脳磁図は脳神経外科手術に際して保険適応となっている唯一の脳機能画像方法であるが, その有用性などに関するエビデンスレベルはあまり論じられていない。今後の脳磁図診断の臨床応用の方向性を見極めるために, 現在の脳腫瘍に対する脳磁図の診断的エビデンスレベルを明らかにする。MEDLINE にて (brain tumor OR neoplasm) AND (MEG OR magnetoencephalography) を1985年から2012年7月まで検索した。その結果920件の論文が検索され, エビデンスレベル, 原著論文に基づいて56論文に絞りこみ現在までの脳腫瘍に対する脳磁図の臨床応用についてまとめた。1993年に体性感覚誘発脳磁界を用いて脳腫瘍術前診断で中心溝を同定した報告は初めての臨床応用であった。その後脳磁図は同様の目的で脳腫瘍患者に使用され続け, 多くのエビデンスレベル1の論文が報告された。また1999年より言語優位半球の同定のために脳磁図の応用が始まり, 現在までエビデンスレベルの高い6編の論文があった。しかし, その同定率が90%を超える論文は少なく, さらなる手法の工夫が必要と考えられた。さらに近年はResting state脳磁図のように課題負荷の少ない検査法の報告も認められ, 今後患者負担の少ない検査法への発展も期待できる。中心溝同定, 言語機能局在に関しては, 脳磁図は脳腫瘍術前診断として推奨グレードの高い有用な検査法である。

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© 2013 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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