医療介護用の電動ベッドの背を上げて (上半身を水平から0º, 10º, 20º, 30º起こして) 眠ることの影響を, 主観的睡眠感とシート型体振動計による客観的睡眠指標により評価した。24~45歳 (33.5±5.6歳) の健常者24名 (男性12名) を対象に覚醒時の寝心地を評価した結果, ベッドの背を20ºおよび30º上げた条件では有意に寝返りしにくく寝心地が悪い評価であった。24~42歳 (29.2±5.2歳) の健常男性13名を対象に自宅で4つの背角度条件を1晩ずつ無作為に施行した睡眠評価の結果, ベッドの背を20ºおよび30º上げた条件では睡眠効率が有意に低く, 睡眠感が有意に悪かった。ベッドの背を20ºより上げると寝返りがしにくくなり寝心地も悪くなり, 結果として睡眠に悪影響を及ぼすことが示唆された。