臨床神経生理学
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原著
Brain Electrical Source Analysis (BESA) Epilepsyを使用した長時間脳波判読補助: 棘波検出の効率化の検討
櫻庭 理絵岩崎 真樹神 一敬板橋 泉加藤 量広板橋 尚中里 信和
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2014 年 42 巻 3 号 p. 78-83

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抄録

長時間ビデオ脳波モニタリング (LTVEEG) の脳波判読には多大な時間を要する。BESA Epilepsy (BESAE) は, 「てんかん棘波様」活動を自動検出し, 所見を要約するソフトウェアである。長時間脳波判読の効率化が期待されるが, まだ臨床応用されていない。当科でLTVEEGを実施した83例を対象に, BESAEと視察による判読結果を比較検討した。また, BESAEによる棘波の局在と臨床診断を比較した。BESAEは視察による判読結果と完全一致55.4%, 部分一致20.5%, 不一致24.1%であり, 不一致の要因はBESAEがてんかん波を見落とす例がほとんどであった。BESAEの結果は, 75.9%の例で臨床診断と一致していた。BESAEによる判読時間は平均7分43秒 (133分) であった。BESAEは長時間脳波判読を効率的に行うための補助ツールとして有用だが, 一部に見落とされる所見があるため, 更なる改良が必要である。

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© 2014 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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