臨床神経生理学
Online ISSN : 2188-031X
Print ISSN : 1345-7101
ISSN-L : 1345-7101
解説
ビタミンB12欠乏性神経障害
畑中 裕己
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 45 巻 6 号 p. 532-540

詳細
抄録

ビタミンB12欠乏による神経障害は, 一般的な教科書には主な障害部位は亜急性連合性脊髄症が強調され, 後索障害, 深部感覚, 振動覚障害と記載されている。大半の医療従事者にとっては, 限定的な理解でもさほど困らないかもしれないが, 実際の臨床ではビタミンB12欠乏神経障害の病変は, 脊髄, 神経根, 末梢遠位と多岐にわたる。またMRI画像で明確な病変を指摘できない症例も多く, B12が正常値の場合もあることを強調しておきたい。病変の局在部位を認識し, 検査異常を示す電気生理学的メカニズムを理解することが, 正確な診断と病態の把握に役立つと思われる。

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
前の記事
feedback
Top