臨床神経生理学
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特集「第6回脳脊髄術中モニタリング談話会 複合電位に潜んだ真実を見逃すな」
頸椎部圧迫性脊髄症はどのように進行するか
今城 靖明舩場 真裕坂井 孝司
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2020 年 48 巻 4 号 p. 174-180

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抄録

頸椎部圧迫性脊髄症 (CCM: cervical compressive myelopathy) の神経学的所見による診断は時に困難である。それは, CCMが軽症例から重症例へとどのように進行するか不明であることや従来の神経学的所見は高位診断であって, 横断像で前方圧迫か後方圧迫か側方圧迫かどのように圧迫されたか考慮されていないためである。C4/5単一椎間障害のCCMを対象としてMRIで脊髄圧迫形態別に脊髄誘発電位 (SCEP: spinal cord evoked potentials) と神経所見から脊髄がどのように障害されるか検討した。脊髄圧迫形態は広範圧迫型, 中央圧迫型, 片側圧迫型に分類した。多くは広範圧迫型でSCEPでは楔状束, 外側皮質脊髄路, 後角, 薄束の順に障害され, 神経所見ではC7領域のしびれ, C6領域の痛覚障害, 上腕三頭筋腱反射亢進, C6領域の触覚障害, 下肢触覚障害の順に障害された。

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© 2020 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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