子育て研究
Online ISSN : 2189-7581
Print ISSN : 2189-0870
保育者のもつ自尊感情イメージの構造
―― 保育態度との関連――
勝浦 美和
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2018 年 8 巻 p. 3-15

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抄録

本研究では、保育者が自尊感情という概念をどのようにイメージし、保育態度とどのように関連しているかを明らかにすることを目的に、PAC 分析の手法を用いて保育者のもつ自尊感情イメージについて質的に分析、考察した。インタビューでは、自己の自尊感情イメージが、過去の経験、母親、仕事など様々な面から語られた。結果として、以下3 点のことが示唆された。 1. 年齢や保育経験年数の異なる3 人から、自尊感情は人とのかかわりの中で認められることで育つという共通のイメージが語られた。 2. 自尊感情の言葉から連想された項目は、個人の職場や家庭での立場、自己評価などといった個人的特性と関連付けられて語られており、個人特有の自尊感情イメージをもっていた。 3. 保育者のもつ自尊感情イメージは、保育態度に反映されていた。  これらのことから、保育者が自身の自尊感情の育ちに目を向けることが必要であると考えられる。園内 研修等を活用しながら、互いの保育や思いを語り合い、認め合える職場の人間関係を築き、保育者一人ひ とりの自尊感情を高めていくことは、個々の保育態度につながり、子どもの自尊感情の育ちにも配慮でき るようになると推察される。

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© 2018 日本子育て学会
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