日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
症例報告
持続血糖測定解析によりステロイド剤を夕方内服とし耐糖能の改善をみた腎移植2症例
長坂 隆治大塚 聡樹渡井 至彦小林 孝彰
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2014 年 2 巻 1 号 p. 111-115

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抄録

今回,移植前後の2症例に対して,持続血糖測定にて耐糖能を評価したところ,昼間高血糖・夜間低血糖傾向があることがわかった。腎移植後にてステロイドを朝方内服している症例1においては,夕方内服へ変更することにより,平均血糖(Av)が10mg/dL,標準偏差(SD)が22mg/dL低下した。糖尿病既往のある,ABO血液型不適合腎移植の減感作療法の一環としてステロイドの朝方内服を開始した症例2においては,夕方への変更によりSDが16mg/dL低下した。2症例とも夜間低血糖の時間帯がなくなり,上限逸脱率・下限逸脱率とも著明に低下した。これまでステロイド内服は朝方内服を基本としていたが,耐糖能異常傾向がある症例においては,ステロイド朝方内服から夕方内服に変更することにより耐糖能の改善を示した症例を2例経験した。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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