計算機統計学
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総合報告
比例ハザード性を仮定した混合分布による購買履歴データの分析
阿部 興高橋 祐一郎荒井 英貴菅野 大志北澤 健斗小松原 翔曽根 圭博泉谷 聡史吉田 敦永井 利昌秋元 良友作村 建紀鎌倉 稔成
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2018 年 31 巻 1 号 p. 37-47

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抄録

 値引きは小売店, EC サイトで広く行われる施策である. 本研究では混合分布を用いて, セール品の購買しやすさという観点から顧客を分類する新しいモデルを提案する. 順序の構造のある混合分布に対しては, 比例ハザードモデルを自然に用いることができた. パラメータ推定には EM アルゴリズムを用いる. 推定量の性質については, ブートストラップ法を用いて評価した. 提案モデルの有用性は EC サイトの購買履歴データの分析を行うことで示す. セール品への反応という観点から顧客を分類することで, 興味深い知見が得られる. RFM 指標で評価した結果, 従来バーゲンハンターとして忌避されがちな, セール品を購入する確率の高いクラスタが, 相対的に優良な顧客となることが示唆された.

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