抄録
小・中学校での「熱・エネルギー教育」について,理科の教員養成を担当してきた立場と,熱測定学会で種々の仕事をしてきた立場の両面から考察した。小学校では,「熱・エネルギー教育」に関して,予想以上に多く取り上げられていることが特徴である。温度測定も比較的早い段階で教えられている。使用が比較的簡単な測定器も多く,児童自身が実行できるものでありながら,それによって種々の概念が構築されていくことから,早い段階での取り組みは重要である。その教材のうちには,児童や教員が十分理解できる,あるいは指導できる教材といえるかどうか疑問が残るものもあり,今後さらに検討を加えることが必要である。