熱測定
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皮膚角層中の細胞間脂質集合体の構造と相転移
八田 一郎中西 加奈太田 昇
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2007 年 34 巻 4 号 p. 159-166

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抄録

皮膚角層は皮膚のバリアー機能や水分保持機能において重要な役割を果たしている。角層は角層細胞と細胞間脂質で構成されているが,とくに細胞間脂質はこれらの機能を主として担っている。そのような観点から細胞間脂質集合体がつくる構造を明らかにすることは重要な課題である。われわれは小角広角X線回折像の温度依存性の測定と示差走査熱測定を行い,それら結果を解析することにより,二つのラメラ周期構造と二つの炭化水素鎖の充てんの間の関係を明らかにした。それに基づき,化粧料や経皮吸収剤の開発の応用研究を分子レベルで展開できると考えている。

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