Cardiovascular Anesthesia
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症例報告
薬剤溶出性冠動脈ステント留置の15日後に大動脈弁置換術を必要とした一症例
篠崎 正彦岩室 賢治遠藤 暢人砂田 将俊伊澤 仁志
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2019 年 23 巻 1 号 p. 73-77

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抄録

 薬剤溶出性ステント(DES)留置直後の心臓手術は,心血管イベント発生リスクが高い。重症大動脈弁狭窄症を持つ83歳女性の急性冠症候群に対し前下行枝(#8)にDESを留置したが,ステント留置15日後に心不全のため大動脈弁置換術を行った。ワルファリンおよびアスピリン投与に関わらず,同術後97日に前下行枝(#7)が新たに狭窄しDESを追加留置した。DES留置症例の弁膜症術後の抗凝固療法は,DES留置1カ月以内では抗凝固薬と抗血小板薬2剤またはクロピドグレルの内服とし,有意狭窄がある場合のみ冠動脈バイパスを追加するのが適切と考えられる。

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© 2019 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
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