Cardiovascular Anesthesia
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症例報告
右内頸静脈から挿入した肺動脈カテーテルが右鎖骨下静脈に迷入し屈曲したことにより抜去困難となった1症例
小玉 早穂子佐藤 浩司西川 俊昭
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2019 年 23 巻 1 号 p. 115-119

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抄録

 症例は64歳男性で,左房粘液腫摘出術が予定された。気管挿管後,右内頸静脈から肺動脈カテーテル(pulmonary artery catheter;以下PAC)を留置する際に約20 cmまで進めた所で抵抗があった。やや強く押し込んだところ挿入が可能となり,50 cmまで進めたが右室圧が確認できなかった。一旦抜去しようと引き抜いてきたが約40 cmの所で強い抵抗があった。胸部X線写真で位置を確認するとPACは右内頸静脈から右鎖骨下静脈に入り腋窩部分で折りたたまれ,先端は上大静脈に存在していた。PACは人工心肺下に術野から引き出し抜去した。迷入を防ぐためにはPAC挿入時に抵抗を感じた場合は無理に押し込まず,また透視などの併用を考える必要があった。

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© 2019 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
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