2000 年 19 巻 p. 53-57
最近、イヌ乾性角結膜炎に対してシクロスポリン(CsA)の点眼が治療効果を上げてきたことから、イヌ・ネコの眼疾患の点眼療法に際して免疫抑制薬が注目されている1)。獣医臨床領域で免疫抑制薬がどのような適応症と用法に対して臨床効果を示すかは、いままでにない関心事である。そこで、今回の「内科学的アプローチで治療する眼疾患」では、現在、市販されていないが将来の適応が期待されるCsAの点眼療法について取り上げ、薬剤の作用機序、調剤の特性、臨床適用症例と効果判定について報告し、「内科学的アプローチで治療する眼疾患」の治療上の留意点について考察した。