非臨床毒性試験の眼科学的検査においては、試験責任者、開発担当者、受託研究機関においては委託者、当局の審査担当者などに対して所見の特徴を客観的に説明できる叙述的記録が必要である。適切な叙述的記録は、認められた所見の発症機序について、解剖学的、病態生理学的に説明する手がかりとなる。叙述的記録の基本的要件には、「所見」とそれが生じた「組織」と「部位」、さらに「数」、「形状」、「色」、「大きさ」、「程度」、「その他の特徴」の情報が含まれる。叙述的記録のためには、用語集・辞書を整備し、施設ごとに共通の見解を有していることが重要である。近い将来に新薬の承認申請時に電子データ提出が求められると予想されるが、その際には叙述的記録の重要性がさらに高まると考えられる。