日本歯科理工学会誌
Online ISSN : 2188-417X
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原著
バルビツル酸誘導体のラジカル重合開始機構
浜野 寿久中垣 憲和三輪 實武野 明義長坂 信司
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キーワード: ESR, バルビツル酸誘導体, MMA
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2011 年 30 巻 6 号 p. 400-409

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抄録
1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツル酸(CEBA),ジラウリルジメチル塩化アンモニウム,ビス(アセチルアセトナト)銅(II)からなる3元系のラジカル重合開始機構を解明するために,ESRスピントラッピング剤に,5,5-ジメチル-1-ピロリン-N-オキシド(DMPO)を用いて,ベンゼン溶液中で反応させて,ESRスペクトルを測定した.スペクトルには,12本線が観測され,超微細結合定数を算出すると,13.3,9.0及び1.5Gであった.それらは,それぞれ窒素,β水素及びγ水素に帰属された.DMPO-OO・アダクトとDMPO-H・アダクトが3元系の開始ラジカル種として見出された.酸素存在下では,CEBAの第5位の水素が引き抜かれた.DMPO-OO・アダクトの活性能は,DMPO-H・アダクトのそれより高いことがわかった.
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© 2011 一般社団法人 日本歯科理工学会
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