2020 年 39 巻 1 号 p. 50-57
有床義歯の設計やフレームワーク,義歯床レジンの造形にCAD/CAMが少しずつ導入され,歯科精密鋳造と粉液型義歯床レジンを利用した従来の有床義歯の製作術式が,ここにきて大きな変革期を迎えようとしている.コンプリートデンチャーは単純な構造のため実用化の段階に到達しているが,パーシャルデンチャーは義歯構成要素が多く,義歯床中にフレームワークが内包される構造のため,フルデジタル製作は未だ困難な状況にある.現状では,各種構成要素をCAD/CAMにより別々に製作し,最終的に作業用模型上で一体化させるアセンブル方式が試行されている.本稿では,切削加工と積層造形を応用した有床義歯製作におけるCAD/CAMシステムの現状とフルデジタル製作をはじめとし,フレームワークのハイブリッド加工やトポロジー最適化等の将来展望について概説した.