日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
原著
持続血液透析療法下におけるテイコプラニンの薬物動態に関する検討
小林 和裕菅野 義彦岡田 浩一星 均鈴木 洋通
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 40 巻 1 号 p. 55-60

詳細
抄録

[目的] グリコペプチド系抗生物質テイコプラニンの持続血液透析療法下における薬物動態を検討する. [対象および方法] テイコプラニンの投与を必要とし, 持続血液透析療法を受けている腎不全患者10名に対して, テイコプラニンを初日は400mgを12時間毎, 第2, 3日目は400mgを24時間毎, 以後は100mgを24時間毎に投与し, 血中濃度を測定した. また透析液流量は500mL/hrとした. [結果] 血中濃度の投与後1時間値は平均39.6±18.1μg/mL, 投与後3日, 5日, 7日の血中濃度トラフ値はそれぞれ平均12.5±0.9μg/mL, 13.2±0.8μg/mL, 12.2±1.0μg/mLであった. 投与3日目以降の30測定値 (1症例あたり3測定値) のうち28測定値が有効血中濃度域にあった. 10例中7例で治療効果が得られ, 投与期間中に明らかな副作用は認めなかった. [結論] 持続血液透析下のテイコプラニン投与において, 本プロトコールにより安定でかつ有用な血中濃度が得られることが示唆された.

著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top