日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者の骨折危険因子としてのintact PTHの意義
佐藤 英一白石 裕盛池田 耕一福田 祐幹須藤 祐司
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2007 年 40 巻 6 号 p. 483-489

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抄録

【目的】血液透析患者に発生した骨折症例をretrospectiveに集計し, 副甲状腺機能ならびに骨密度などの背景因子の検討を試みたので報告する. 【対象と方法】血液透析患者312症例中, 2003年から2005年までの間に骨折の診断を受けた25症例 (8.0%) を対象とした. 背景因子として, 性別, 年齢, 透析期間, 原疾患, 測定項目としてintact PTH (iPTH), ALP, 骨密度等の各項目について検討した. 【結果】骨折症例は男女比で女性に有意 (p<0.01) に多く認められ, iPTH値と骨密度では有意 (p<0.01) に低値を示した. 2003年K/DOQIガイドラインに基づいてiPTHを3群に分類し検討したところ, Hypo群 (<150pg/mL) では骨折患者の割合がNormo群 (150~300pg/mL), Hyper群 (>300pg/mL) に比して有意 (p<0.05) に高いことが示された. 次にHypoの基準を200pg/mL未満として検討しても同様にHypo群ではNormo群 (200~300pg/mL), Hyper群 (>300pg/mL) に比して有意 (p<0.05) に骨折頻度が高いことが示された. 次に骨折の危険因子と考えられたiPTHと骨密度との関係について検討したところ, iPTH Hypo群 (<150pg/mL) においては, Normo群, Hyper群に比して有意 (p<0.05) に骨量が保たれていた. 【結論】iPTHの低値例において骨折が有意に多く認められ, また骨密度が有意に保たれていた. 骨折予防のためにはiPTHの目標下限値を若干高めに設定することが必要と考えられた. さらに骨量が保たれていても, 低回転骨を示している場合があり, 血液透析導入時や骨折発症以前の時期から注意を要する必要があると考えられた.

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© 2007 一般社団法人 日本透析医学会
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