日本透析医学会雑誌
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原著
ビタミンE固定化ダイアライザーCL-EEが血液透析患者の血液粘性と酸化ストレスに及ぼす影響
小池 勤供田 文宏絹野 裕之杉森 弘子鍵谷 聡志井上 博林 省一郎中村 國雄林 健志平田 仁松本 三千夫
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2007 年 40 巻 6 号 p. 507-512

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抄録

血液透析患者において, ビタミンE固定化ダイアライザー (CL-EE) が血液粘性に及ぼす影響を酸化ストレスの面から検討した. 14例でCL-EEによる血液透析を1年間行い, その前後で血液粘性, 血漿粘性, ヘマトクリット, 血漿フィブリノーゲンおよび酸化ストレスの指標として血中酸化LDLを測定した. CL-EE使用前, 血液粘性は透析後に上昇した. 1年間のCL-EEによる透析後, 血液粘性は透析前ではCL-EE使用前と差はなく透析後に上昇した. しかし透析後の上昇は有意に抑制された (使用前, 3.1±0.3→3.8±0.9mPa・s ; 使用後, 3.1±0.3→3.4±0.5mPa・s ; 交互作用, p<0.05). 酸化LDLは, CL-EE使用前では透析後に上昇し, CL-EE使用後ではCL-EE使用前にくらべ透析前値と透析後の上昇は有意に抑制された (使用前, 3.3±1.0→4.2±2.0ng/μg LDL protein ; 使用後, 1.9±0.7→2.1±0.60ng/μg LDL protein ; 交互作用, p<0.05). CL-EE使用前後において, 透析後の血液粘性の変化は血漿粘性, ヘマトクリット, 血漿フィブリノーゲンの変化とともに酸化LDLの変化との間に正の相関 (r2=0.62, 0.60, 0.42, 0.17) を認めた. 以上より血液透析患者では, ビタミンE固定化ダイアライザーCL-EEの長期使用により, 酸化ストレスの軽減とともに透析後の血液粘性の上昇は抑制されることが示された. このCL-EEの臨床効果は, 透析患者の動脈硬化および心血管系疾患の発症および進展の阻止に有用である可能性が期待される.

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© 2007 一般社団法人 日本透析医学会
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