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日本透析医学会雑誌
Vol. 40 (2007) No. 6 P 517-521

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http://doi.org/10.4009/jsdt.40.517

透析技術

【背景】近年, バスキュラーアクセスの穿刺困難例が増加している. 一方, 患者安全管理面から確実な穿刺への要請が高まりつつある. 従来こうした例では, 別の機会に超音波検査を行い, その記録をもとに穿刺を行わざるを得なかった. 最近携帯型の超音波診断装置を導入し, 穿刺に良好な効果を得ているので, 実際の手技につき, 標準手順とともに報告する. 【方法】超音波診断装置はSonosite 180 Plusを使用. 想定された穿刺部位から約1~2cm先に, 血管の短軸方向, つまり穿刺方向に直角にプローブを置きリアルタイムに観察を行う. 穿刺後, 穿刺針の先端がエコー上確認できたところで外筒を進め, 針を留置する. 【考察】血液透析は, アクセスの穿刺なくしては治療自体開始できない. このため, 良好なアクセスへのカニュレーションが十分な透析量の確保のみならず, 円滑な透析室の運営を行ううえでも, 非常に重要である. 本法は, リアルタイムに穿刺針が観察できるため, 容易に確実な穿刺が可能となる. 本法では血管の短軸方向で観察したが, 長軸方向で観察することも可能である. しかし, 長軸方向では, 観察面から穿刺針が外れると見失ってしまう点, プローブが穿刺の邪魔になる可能性がある点などの欠点が存在する. さらに, 短軸方向での観察では, プローブの左右と実際の穿刺側からみた左右を合わせることにより, 穿刺針の修正も容易である. 以上の点から, 短軸方向での観察は長軸方向での観察よりすぐれていると考える. 表在静脈では適応がやや困難であるが, それ以外のエコーで内腔が確認できる血管には適応が可能である. 【結語】短軸方向のエコーガイド下アクセス穿刺は, 穿刺困難例については, 非常に有用な穿刺補助法である.

Copyright © 2007 社団法人 日本透析医学会

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