日本透析医学会雑誌
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症例報告
腹膜透析導入直後に陰嚢腫大を認めた症例
高柳 明夫上原 央久村中 貴之鈴木 一弘柳瀬 雅裕
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2008 年 41 巻 11 号 p. 799-802

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抄録

IgA腎症による慢性腎不全のため57歳男性が腹膜透析を導入した.導入翌日に両側の陰嚢腫大を認め,精査にて両側陰嚢浮腫と診断した.腹膜透析を一時休止することで陰嚢浮腫は自然に改善した.休止から3週後に腹膜透析を再開したが,陰嚢浮腫の再発はなく良好に施行可能となった.PD導入後に陰嚢腫大を認めた場合には交通性陰嚢水腫と陰嚢浮腫の鑑別を行って治療を行うことが重要である.陰嚢浮腫の際にはまずPDをしばらく中止することで陰嚢浮腫は消失する.しかし,PD再開後に陰嚢浮腫が再発する場合にはその原因を鑑別して治療することが重要である.

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© 2008 一般社団法人 日本透析医学会
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