2008 年 41 巻 3 号 p. 195-198
62歳,女性,透析歴13年.左腕頭静脈狭窄に対して2006年8月初回PTA(percutaneous transluminal angioplasty),同年9月にステント留置を行った.その7日後より嗄声および嚥下障害が出現し,左声帯麻痺と診断された.薬物治療の継続により症状は徐々に軽快してはいるが,1年を経過してなお完全な回復には至っていない.PTAにおける多くの合併症は安全な操作を心がけることによって回避しうるが,このような稀な合併症を生ずる危険性を認識すべきであろう.