2009 年 42 巻 7 号 p. 515-520
新生児3症例に対し緩徐血液透析(以後CHD)を施行し2症例を救命しえたので報告する.症例1は出生体重2,720 gの新生児であり,日齢5に先天性代謝異常によるコントロール困難な高アンモニア血症を呈した.48時間のCHD後,高アンモニア血症から改善し経口内服薬に切り替え透析離脱可能となった.症例2は出生体重1,710 gの新生児であり日齢3に一過性高アンモニア血症にて40時間CHDを施行した.順調に高アンモニア血症から改善し透析より離脱した.症例3は出生時において重症新生児仮死と診断された症例であった.約9日間,透析療法を確実に施行することができたが救命しえなかった.今後新生児の救命率の向上により本症例のごとく血液浄化療法の必要とされる症例の増加が予想され,より安全で効率的な透析療法の確立が求められる.