日本透析医学会雑誌
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症例報告
糖尿病性神経障害による疼痛に対してプレガバリンを過量使用し神経症状を呈した血液透析患者の1例
福島 栄竹本 文美草野 英二
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2011 年 44 巻 7 号 p. 637-641

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抄録

症例は63歳,女性,現病歴:56歳時に2型糖尿病に起因する末期腎不全で血液透析を導入され通院透析中であった.発症2か月前より右下肢痛が増悪して,整形外科で治療を受けていたが,症状は軽減せず,糖尿病性神経障害による疼痛の診断で麻酔科を受診した.同科にて末梢性神経障害性疼痛治療薬のリリカ®(一般名:プレガバリン)を1日量150mg,2回分服で処方され服用を開始した.服用開始後3日目より浮遊感,傾眠,脱力感が出現し,服用4日目に当院の救急外来に搬送され神経学的所見,理学所見,頭部CT,血液検査,服薬歴からプレガバリンの過量投与による副作用症状と考えられた.プレガバリンは蛋白結合能が低く透析性が高いため治療としては,連日3日間の血液透析を施行,3回目の透析治療後に症状はほぼ消失した.治療前のプレガバリンの血漿中濃度は,17.4μg/mLで通常維持量での最大血漿中濃度の2.8倍に達していた.また血液透析による薬物濃度低下率は60%を上回っていた.プレガバリンは,腎排泄型薬剤であり,透析患者を含む腎機能障害患者には用法用量を遵守して使用される必要がある.また,過量投与に際しては血漿中に遊離型が多く存在し血液透析が有効と考えられた.

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© 2011 一般社団法人 日本透析医学会
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