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日本透析医学会雑誌
Vol. 45 (2012) No. 11 p. 1027-1033

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http://doi.org/10.4009/jsdt.45.1027

原著

新人医師が安全に超音波ガイド下中心静脈バスキュラーアクセス(VA)穿刺術を習得するための試みとして,従来の実践訓練に加えて新たにシミュレーション医学的手法を導入した.【対象】2008年4月~2012年4月の間に当科において初めて超音波ガイド下中心静脈VA穿刺を行った卒後2~4年目の医師(以下,研修医師)10人.【方法】以下の順に指導を行った.1)指導医による穿刺理論の講義,2)実際に指導医が穿刺中の動画DVDを研修医師に配布し,繰り返し視聴する.3)自作シミュレーターと実際に使用するカテーテルキットを用いた穿刺訓練,4)指導医の実践を見学後,患者で指導医とともにVA穿刺:この際指導医は術者とともに超音波プローブを持ち,術者に穿刺針の進め方を指示する.手技中の超音波画像は動画で記録する.5)実践後,研修医師は指導医と一緒に録画した超音波画像を見ながら振り返り(reflection)を行う.その後,録画内容はCD-Rにして研修医師に渡す.6)振り返りの内容は研修医師・指導医ともに記録し(portfolio作製),時々俯瞰してみる.7)研修医師が単独で穿刺する.8)研修医師に感想を聞く.【結果】シミュレーション学習システム導入後,約25回/年の血液透析用ダブルルーメンカテーテル挿入および約50回/年の長径透析針を用いた大腿静脈反復穿刺法を超音波ガイド下に行ったが,全例でVA確保に成功し,重篤な合併症も認めなかった.研修医師全員が本システムが有用であったと回答し,指導医の感じるストレスもシステム導入により軽減した.【結論】シミュレーション医学の導入は新人医師の中心静脈VA穿刺技術習得における安全性を担保する上で有用と考える.

Copyright © 2012 社団法人 日本透析医学会

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