日本透析医学会雑誌
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総説
全国調査に基づくカルシフィラキシス診断基準の提案
林 松彦高松 一郎吉田 理菅野 義彦佐藤 裕史阿部 貴之橋口 明典細谷 龍男秋葉 隆中元 秀友梅澤 明弘重松 隆深川 雅史川村 哲也田中 勝杉野 吉則
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2012 年 45 巻 7 号 p. 551-557

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抄録

カルシフィラキシスは,末期腎不全により透析療法を受けている患者を中心に発症する,非常に疼痛の強い難治性皮膚潰瘍を主症状とする,時に致死的な疾患である.病理学的所見としては,小動脈の中膜石灰化,内膜の浮腫状増殖を特徴的所見としている.これまで本邦における発症状況などは不明であったが,平成21年度厚生労働省難治性疾患克服事業として,われわれ研究班により初めて全国調査がなされた.その結果,発症率は欧米に比べて極めて低いと推定され,その要因の一つとして,疾患に対する認知度が極めて低いことが考えられた.そこで,疾患概念を明らかとして,その認知度を高めるとともに,診断を容易にするために,全国調査を基として診断基準の作成を行った.この診断基準は,今後の症例の集積に基づく見直しが必要と考えられるが,カルシフィラキシスに対する認知度を高める上では重要な試みと考えている.

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© 2012 一般社団法人 日本透析医学会
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