日本透析医学会雑誌
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症例報告
出血を伴う上腕動脈吻合部バスキュラーアクセス感染に対し上腕動脈結紮術が有効であった2例
村津 淳森島 淳之渡瀨 謙仁中村 順一阪口 勝彦
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2014 年 47 巻 4 号 p. 249-253

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抄録

 上腕動脈吻合部のバスキュラーアクセス感染による突然の大量出血に対して上腕動脈結紮術が有効であった2例を経験したので報告する. 症例1 : 47歳男性. シャント部の疼痛を主訴に来院. シャントの上腕動脈との吻合部に形成された瘤の発赤, 腫脹を認め, 血液検査・画像検査で感染が疑われた. 入院後, 瘤が破裂したため緊急的に上腕動脈結紮術を施行した. 症例2 : 74歳男性. 人工血管血清腫の治療後の上腕動脈との動脈側吻合部の遺残グラフト部分に発赤, 排膿を認めた. 感染部グラフト除去手術を行ったが数日後に僅かに遺残したグラフトが脱落して大量出血した. そのため緊急的に上腕動脈結紮術を施行した. 2症例とも術後の経過で手先の麻痺, 虚血症状を認めず, 血管造影・3D造影CTでも側副路より末梢への血流が確認された. 上腕動脈吻合部のバスキュラーアクセス感染破裂による出血に対する緊急手術として上腕動脈結紮術は有用であると考えられた.

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© 2014 一般社団法人 日本透析医学会
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