日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者における食事摂取状況と血清亜鉛濃度との関連
岡村 聡之高城 慶衣子竹中 恒夫鈴木 洋通
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2014 年 47 巻 7 号 p. 427-433

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抄録

【目的】亜鉛欠乏は種々の障害をもたらすことが報告されている. そこで, 当院の外来維持血液透析患者における血清亜鉛濃度を測定し, 食事摂取状況との関連について検討した. 【方法】39名の外来維持血液透析患者を対象として, Food Frequency Questionnaire Based on Food Groups : FFQgを用いて食事調査を行い, 血清亜鉛濃度との関連を横断的に検討した. 【結果】単回帰では, 血清亜鉛濃度は強い血清アルブミン濃度との相関を示した (R=0.55, p<0.01). また, 血清総コレステロール濃度とも弱く相関した (R=0.32, p=0.05). 変数減少法を用いた重回帰分析では (R=0.45), 栄養素摂取量のうち, カリウム (t=3.0, p<0.01) とリン (t=−2.3, p<0.05) が血清亜鉛濃度の関連因子とされた. ステップワイズ回帰分析で, 血清亜鉛濃度と栄養素摂取量のなかからビタミンCが相関した (t=3.9, p<0.0001). 食品群を独立因子とした場合, 野菜/芋類/果実と血清亜鉛濃度は相関し (t=3.2, p<0.01), 特に果実類との相関傾向が認められた. 【結論】血液透析患者において, ビタミンCを上手く摂取し, リン摂取過多を回避することで, 低亜鉛血症を予防できる可能性があると示唆された. 食事指導や栄養管理の際, 亜鉛補充以外の新たな可能性を見出した.

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© 2014 一般社団法人 日本透析医学会
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