日本透析医学会雑誌
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原著
骨粗鬆症を合併する外来透析患者に対するデノスマブ治療に関する前向き臨床研究—治療開始1年間の経過—
永作 大輔高橋 竜平
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2017 年 50 巻 4 号 p. 247-253

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抄録

骨粗鬆症 (YAM<70%) を合併する当院外来透析患者に対してデノスマブ治療を行った. 対象患者は平均年齢70.8±13.7歳, 38名 (男性13名, 女性25名) であった. デノスマブ投与12か月後でBMDは4.63±7.07ポイントと有意な上昇を認めた. 骨代謝マーカーのTRACP-5b, total P1NPはデノスマブ投与後より12か月間有意な低下を認めた. 補正Ca値は投与2~3週後まで急速に低下したが, ビタミンD製剤などの投薬により改善した. デノスマブ初回投与時と2回目投与時の補正Ca値, iP値, i-PTHの変化量を比較したところ, いずれも2回目投与時で有意に低下していた. そのため低Ca血症に対する処置回数も約半分に減少していた. またi-PTH, TRACP-5b, total P1NPは補正Ca値低下と相関を認めた. 骨粗鬆症を合併する透析患者に対して, デノスマブ治療は骨密度改善に有用であった.

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© 2017 一般社団法人 日本透析医学会
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