日本透析医学会雑誌
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原著
透析患者の定時薬服薬遵守率は医療スタッフの予測より高い
吉野 秀章山下 万紀子渡部 さゆり小嶺 真耶矢野 未来川口 利江川口 唯江藤 りか佐々木 修一ノ瀬 浩澤瀬 健次橋口 純一郎原田 孝司舩越 哲
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2017 年 50 巻 9 号 p. 535-540

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抄録

維持透析患者は他疾患に比べ, 総服薬数が多数となる傾向にあるが, 患者服薬状況についての報告は少ない. 今回われわれは, 外来血液透析患者のうち, 服薬を自己管理している172名に対し定時薬の服薬遵守率 (以下, 服薬率) や飲み忘れの有無, 服薬の自己調節の有無を聞き取り調査した. 同時に, 医療スタッフ (看護師・臨床工学技士) が予測する服薬率を薬剤別に調査し, 患者の服薬率と比較した. その結果, すべての薬剤において患者の服薬率が医療スタッフの予測を上回る結果となった. このことは服薬遵守に関する情報と意思共有が, 患者と医療スタッフで十分になされておらず, 医療スタッフが先入観を抱いている可能性がある. 今後は医療スタッフ自身の薬剤に対する知識の充実, また患者の服薬状況を客観的に評価する姿勢が求められる. 加えて, 定期的な服薬率調査は質のよい服薬アドヒアランスに繋がる可能性が示された.

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© 2017 一般社団法人 日本透析医学会
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