日本透析医学会雑誌
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症例報告
ステロイド抵抗性の抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎に対し二重膜濾過血漿交換療法が奏功した1例
福田(日原) 桂伊與田 雅之齋藤 友広荒井(布田) 典子和田 幸寛鈴木 幸恵木崎 順一郎恩田 秀寿高橋 春男柴田 孝則
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2018 年 51 巻 6 号 p. 379-385

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抄録

症例は30歳代の女性. 4日前から右眼球運動痛, 右歪視症, 右眼下方視野狭窄を認め, 近医を受診した. 同日夜間から右眼の急速な視力低下がみられ, 指数弁まで低下した. 血液検査では抗アクアポリン4 (aquaporin-4: AQP4) 抗体陽性, 眼窩造影MRIにて右視神経に高信号を認め, 視神経脊髄炎関連疾患, 中でも抗AQP4抗体陽性視神経炎と診断した. 近医にてステロイドパルス療法を2クール施行, 後療法としてプレドニゾロン40mg/日の内服を開始したが, 視力, 視野の改善は得られず, 血漿交換療法施行目的に当院転院となった. 計7回の二重膜濾過血漿交換 (double filtration plasmapheresis: DFPP) を施行し, 抗AQP4抗体は陰性化, 視力改善, 視野の拡大を認めた. DFPPはステロイド治療抵抗性の抗AQP4抗体陽性視神経炎に有用な治療法の一つであると考えられた.

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© 2018 一般社団法人 日本透析医学会
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