日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者におけるイバンドロネート投与に伴う骨代謝マーカー, 骨密度の変化の検討
林 優里大城 義之依光 大祐
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2018 年 51 巻 7 号 p. 441-445

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抄録

骨密度が低下した血液透析患者において, ビスホスフォネートの使用が骨代謝マーカーや骨密度に影響を及ぼすかについて検討した. 維持透析患者で骨粗鬆症の定義を満たした7例 (男性3例, 女性4例) に対し, 月1回透析終了後イバンドロネート1mgの静脈投与を行い検討した. これらの症例で6か月後, 12か月後のデータにて補正Ca値, P値, iPTH値に有意差は認められなかったが, 血清AlP値とTRACP5b値は231±45.7 (U/L) と623±308 (mU/dL) から, 166±67.9 (U/L) と345±199 (mU/dL) に12か月後に低下した. 大腿骨近位部骨密度は6か月後, 12か月後有意差を認めなかったが, 腰椎骨密度はT score −2.41±0.89から−2.00±1.08に, 12か月後に増加を認めた. この観察期間中にすべての症例にて脆弱性骨折は認められなかった. イバンドロネートの使用を契機に, 透析患者では骨代謝マーカーの改善および腰椎骨密度の増加が期待される.

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© 2018 一般社団法人 日本透析医学会
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