日本透析医学会雑誌
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症例報告
単純血漿交換と選択的血漿交換の混合療法で治療した抗GBM抗体型急速進行性糸球体腎炎の1例
山谷 哲史白井 敦廣畑 由樹子隈元 宣行小坂 恭子菊田 淳子藤井 秀毅西 愼一
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2018 年 51 巻 9 号 p. 557-563

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抄録

新鮮凍結血漿 (FFP) を用いた単純血漿交換の代わりにアルブミン置換液を用いた選択的血漿交換が, 効率, 安全性, 医療費などの面から注目されている. 近年選択的血漿交換は, IgGである抗GBM抗体の除去は可能であるが, 少量だが凝固因子が除去される問題点がある. 80歳男性で, 抗糸球体基底膜抗体腎炎と診断した症例に対して, われわれはFFPでの単純血漿交換と選択的血漿交換を併用し救命しえた症例を経験した. 2つの血漿交換を併用することで凝固因子の低下は少なく, 総計11回の血漿交換で抗GBM抗体は10U/mLまで改善させることができた. 単純血漿交換と選択的血漿交換を併用し治療を行った報告は稀であり, 利点と欠点を含め, 一部文献的考察も加えて報告する.

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© 2018 一般社団法人 日本透析医学会
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