日本透析医学会雑誌
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症例報告
献腎移植後10年目に2度の大腸穿孔を起こした1例
富澤 満堀 俊太前阪 郁賢尾張 拓也飯田 孝太森澤 洋介中井 靖三宅 牧人米田 龍生田中 宣道吉田 克法藤本 清秀
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2019 年 52 巻 9 号 p. 551-557

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抄録

59歳, 男性. 原疾患の慢性糸球体腎炎に対し, 37歳時に血液透析導入, 49歳時に献腎移植施行された. 術後, 血清クレアチニン値は1.5mg/dL程度で安定した. 維持免疫抑制剤はシクロスポリン, ミコフェノール酸モフェチル, プレドニゾロンが用いられた. 献腎移植後10年目の59歳時に左側腹部痛で来院した. 下行結腸脾彎曲部穿孔が疑われ, 下行結腸部分切除, 横行結腸人工肛門造設術を施行された. 病理組織学的には憩室炎穿孔の像であった. 半年後に再び強い下腹部痛で来院し, 横行結腸穿孔が疑われ緊急手術となった. 術中所見では人工肛門中枢側の横行結腸から結腸間膜内への穿孔を認め, 横行結腸部分切除とストマの再造設が行われた. 病理組織学的に明らかな原因を認めなかった. 長期透析歴や尿毒症状態, 副腎皮質ステロイドの長期使用は, 大腸壁の脆弱性に関与している可能性があり, 長期透析歴をもつ腎移植患者の腹痛は大腸穿孔も考慮する必要がある.

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© 2019 一般社団法人 日本透析医学会
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