日本透析医学会雑誌
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原著
透析中のN‒backトレーニングが軽度認知障害を呈する血液透析患者の認知機能に与える影響と経過
野口 佑太伊藤 真里奈伊藤 卓也川村 直人
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2021 年 54 巻 3 号 p. 141-147

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抄録

軽度認知障害を呈する血液透析(HD)患者8名に対し,N‒backトレーニングを1回20分,週3回,HD中に5か月間実施した.Mini‒Mental State Examination(MMSE),日本語版Montreal Cognitive Assessment(MoCA‒J),ベントン視覚記銘検査(BVRT),視覚性抹消課題(VCT),Symbol Digit Modality Test(SDMT),Paced Auditory Serial Addition Task(PASAT)を介入前と介入5か月後,介入終了から6か月後(フォローアップ)の計3回評価した.PASATにおいて介入前から介入後,介入前からフォローアップで有意な改善を認め,BVRTでは介入前からフォローアップで有意な改善を認めた.透析中のN‒backトレーニングは,MCIを呈するHD患者のワーキングメモリの改善に有用であることが示唆された.

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© 2021 一般社団法人 日本透析医学会
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