日本透析医学会雑誌
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症例報告
血清カルシウム値および1,25(OH)2VD値が結核補助診断および早期治療効果判定の一助となった導入期血液透析患者の1例
荒木 崇志峰松 直人神戸 香織重原 理宏黄田 宗明佐藤 真理子
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2021 年 54 巻 4 号 p. 183-187

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抄録

症例は透析導入して5か月後の89歳,男性.貧血,CRPの上昇を認め,翌月に高カルシウム血症も出現し,精査目的で当院外来を紹介受診した.CTにて左肺優位の両側上肺の粒状影,小結節影などを認めた.気管支鏡を行い洗浄液では抗酸菌塗抹陰性,結核菌遺伝子増幅法陰性であったが,扁平隆起性病変の生検病理検査にて多核巨細胞を伴う乾酪性肉芽腫性炎症を認めた.診断的治療の意義も含めて抗結核薬治療を開始したところ,治療開始2週間で補正カルシウム値は改善を認め,治療に反応していると判断した.維持透析患者は定期的に胸部X線撮影を行うために胸部異常陰影から結核が疑われ診断に至ることが多いが,定期採血項目に入っている血清カルシウムなどの異常値から発見,診断される結核の報告もみられる.高カルシウム血症の正常化は,1,25(OH)2VD/i‒PTH比の低下と相関しており,早期の治療効果判定の一助となった.

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© 2021 一般社団法人 日本透析医学会
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