2025 年 58 巻 4 号 p. 184-191
【目的】クレアチニンインデックス(mCI),握力,栄養指標間の関連性と残腎機能がmCIに及ぼす影響を検討した.【対象】平均年齢68.6歳,平均透析歴12.1年の外来血液透析患者107名を対象とした.【方法】mCIと握力,ALB,BMI,GNRI,nPCR,%CGRとの相関を求めた.残腎機能ゼロ群を透析歴5年以上とし,5年未満と2群に分け各指標を比較した.【結果】mCIは握力(r=0.62),GNRI(r=0.52),ALB(r=0.44),BMI(r=0.37),nPCR(r=0.42),%CGR(r=0.65)と有意な正の相関(p<0.001)を認めた.2群間の比較ではmCI,nPCR,%CGR は残腎機能あり群で有意(p<0.01)に低値であった.mCI,握力,GNRIのすべてがカットオフ値未満の群に要介護者が集中していた.【考察】mCIは全血液透析患者の骨格筋量指標を反映するが残腎機能の影響を考慮する必要がある.