人工透析研究会会誌
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死体腎移植患者の血液透析
小崎 正巳畑谷 重人副島 昭典広瀬 康子宮本 克彦盧 建基大河内 康光清水 洋一久野木 忠辻 孝彦玉置 勲桜井 悦夫
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1985 年 18 巻 3 号 p. 339-344

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抄録

死体腎移植は生体腎移植と異なってしばしば緊急手術の形をとるため, 術前の血液透析も緊急透析となることが多く, また術後も急性尿細管壊死 (ATN) のため血液透析を必要とする場合が多い. 今回我々は死体腎移植39例を検討した結果, 死体腎移植患者の血液透析のcase pointは以下に述べることであった.
1) 術前の血液透析は次の点に留意した. a) 凝固時間を測定し, ヘパリン量は可及的少なくした. b) 透析中にHt 30-35%を目標に輸血した. c) プレドニソロンは透析終了後または透析前2時間前に服用させた. d) 術後の看護の円滑化を図るため, 透析中に看護婦と患者の対話を十分に行った.
2) 術後透析は次の点に留意した. a) 透析は移植後24時間以上経過してから施行することとし, 透析開始までの管理としては補液量は尿量+30ml/hr, 高K血症に対してはイオン交換樹脂, ブドウ糖インスリン療法で対処した. b) 術後早期は短時間頻回透析とし, 凝固時間を測定した. c) プレドニソロンは透析終了後または透析2時間前に服用させた. d) ATN中におこる急性拒絶反応を早期に発見するため, 99Tc-DTPAによる腎シンチスキャンを週2回施行した.
3) 以上の点に留意した結果, 特に透析による合併症を認めず, 死体腎移植39例中34例 (87.2%) は透析より離脱し, 最長透析期間は42日であった.

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© 社団法人 日本透析医学会
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