抄録
難治性腎性貧血の成因におけるアルミニウム (Al) 蓄積の意義を明らかにする目的で, deferoxamine (DFO) testで陽性反応を示す15例の難治性腎性貧血患者を対象に, 高性能膜透析器使用下にDFOを3ヵ月間投与し, 貧血の推移を検討した. ヘマトクリット値 (Ht) は投与後第4週目より有意に増加し, 12週目には平均8.1%上昇したが, DFO中止後徐々に低下し, 12週目では投与前と有意差はなかった. 12週でHt 5%以上の上昇を認めた著効例は10例, 3%以下の上昇に止まった無効例は2例であった. Htの上昇とDFOテスト時のΔAl, DFO投与量は相関した. 貧血の改善に伴いMCV, MCHは増加し, 血清フェリチン, 内因性エリスロポエチン濃度は有意に低下した. 以上の成績から, 透析患者の難治性腎性貧血にAl蓄績は重要な病因となり, DFOは蓄績したAlのヘム合成阻害作用を解除して貧血の改善をもたらすと推定された.