1989 年 22 巻 6 号 p. 613-616
透析食における蛋白指示量は高蛋白食と良質蛋白質摂取傾向が求められている. 充分な蛋白を摂取すれば, 当然のことながらリン摂取量も増加し, 血清リンを低値に保つことを期待しても無理があり, 基本的に矛盾がある. 今回は高蛋白低リン粉末を使用し, 蛋白質を強化したパン (BP), リン含量を低減した豆腐 (FP16) を開発し, 更に数種の副食の主菜を試作し, これらの食品の常用の可否についての検討を行った. BP, FP16の組成上の変化は, 生物価の高い蛋白質の量が確保できながらリン摂取量を十分に減少させることが可能となり, 先に開発した低りンミルク P-80 (現在低リンミルクL.P.K.) との併用が望まれる. アンケート結果からBP, FP16両食品の常用の可能性については, 十分に可能であることが判明した. 他の数種の食品の試作も患者より好結果の反応がみられている.