日本透析療法学会雑誌
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血液透析患者のquality of life
大林 誠一福西 勇夫帯包 八千代大林 幸
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1990 年 23 巻 12 号 p. 1367-1371

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抄録

血液透析患者のquality of life (QOL) の質問紙法による評価を行い, 透析の予後を左右する自己管理との間に密接な関係を有する失感情症とQOLの相互関係から, QOLにおける失感情症の意義, ならびにその位置付けについて検討した. 対象は194例の血液透析患者で, 内訳は1. 原疾患別 (糖尿病12例, 非糖尿病182例), 2. 治療形態別 (入院72例, 外来122例), 3. 年齢別 (65歳以下139例, 65歳以上55例), 4. 性別 (男99例, 女95例) である. 各項目別QOL評価と失感情症の相関では, 11項目のうち心理・社会面を反映する「情緒状況」, 「社会的関係」, 「生活満足度」の3項目で有意な負の相関を示したが, 他の8項目では有意な相関はみられなかった. 心理・社会面と身体面のQOLの解離は, 透析患者におけるQOL評価の際, 総合的にQOLを判定する必要性を示唆している. 一方, 心理面のQOLが良好にみえても失感情症を呈し自己管理不良であることも少なくない. このことは, 心理面のQOLはみかけ上良好であることも多く, 自己管理の程度を反映する心理学的一指標である失感情症の検討も含めた多角的な見地から, 透析患者のQOLを評価することが肝要であろう.

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© 社団法人 日本透析医学会
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