日本透析医学会雑誌
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低用量遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤の有効性
岡田 一義高橋 進樋口 輝美奥田 直裕柴原 宏
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1994 年 27 巻 2 号 p. 119-121

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抄録

市販されている静注用遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤 (rHuEPO) の最小単位は1,500IUであるため, 血液透析 (HD) 患者において1,500IUより少ない量のrHuEPOの経静脈的投与の必要性について進行性の腎性貧血を認める4名のHD患者を対象として検討を行った. rHuEPO投与前の進行性のヘマトクリット値 (Ht) 低下は500IU週3回投与により消失した. また, Htは500IU, 750IU, 1,000IUとrHuEPO投与量が増加するにつれ, 用量依存性に増加し, 総投与量が同じ場合には, 1回投与量よりも投与回数を多く (投与間隔を短く) した場合に増加した. 貧血の進行を予防することが患者のquality of lifeの面から重要であり, rHuEPOによる造血反応に関与する因子を配慮することによって, 低用量 (500IU, 750IU, 1,000IU) のrHuEPO投与は腎性貧血の治療薬として有効である.

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