日本透析医学会雑誌
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糖尿病性腎症による血液透析患者の骨病変の検討
桑原 道雄秋葉 隆栗原 怜米島 秀夫丸茂 文昭
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1994 年 27 巻 6 号 p. 961-965

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抄録

糖尿病性腎症により末期腎不全に至った血液透析患者における骨病変の特徴を検討した. 成人男性の安定期透析患者のうち, 糖尿病性腎症を原疾患とする20名 (DM群) と他疾患の42名 (non DM群) の血清Al-P, C-PTH, osteocalcin, Tartarate-resistant Ac-Pを比較したところ, DM群でC-PTH, osteocalcinが有意に低値であった.
さらに, 二次性副甲状腺機能亢進症による骨病変の影響を除外するため, DM群20名と, これと同等のC-PTH値を示すnon DM群 (C-PTH<5ng/ml) 24名で骨の生化学的指標と骨塩量, 骨密度を比較した. これら2群間の比較でも, DM群ではosteocalcinが有意に低値を示した. 骨塩量, 骨密度の測定8項目中, 上肢骨塩量と腰椎骨密度がDM群で有意に減少していた. これら骨塩測定項目と年齢, 透析歴の間には有意な相関を認めなかった.
以上より, 糖尿病の血液透析患者では, 二次性副甲状腺機能亢進症のみならず何らかの糖尿病に起因する病態が, 低骨回転と骨塩量, 骨密度減少の原因であると考えられた.

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