日本透析医学会雑誌
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血液透析患者の凝固線溶能について Thrombomodulinを中心に
石井 義孝金井 秀夫藤塚 直人前沢 晃土田 晃靖若松 良二矢野 新太郎成清 卓二
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キーワード: 血液透析, 凝固線溶系
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1994 年 27 巻 7 号 p. 1049-1054

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抄録

慢性維持血液透析を受けている47名について, 透析前後にて凝固線溶系因子であるthrombomodulin (TM), Thrombin-anti-thrombin III complex (TAT), protein C, protein S, Plasmin-α2 plasmin inhibitor complex (PIC) について測定し透析患者の凝固線溶能, および各種膜素材の抗血栓性について検討した.
透析前では凝固系因子であるTM, TATは有意に高値を示したが, 線溶系因子であるprotein C, protein S, PICはともに有意差を示さなかった. 透析前透析患者では凝固亢進状態にあると考えられた. 透析後では, TM, TATは有意に高値を示し, 血液透析により血管内皮細胞障害および凝固亢進状態をきたしたと考えられた. protein Cとprotein Sは有意差を示さなかったが, PICは有意に高値を示し透析後は線溶亢進状態にあると考えられた. 各種透析膜毎についての検討では, EVAL膜, polysulfone膜では, TM, TAT, protein C, protein S, PICともに透析前後で有意差を示さず, 抗血栓性よりみて生体適合性の高い膜素材と考えられた. 再生セルロース膜, PMMA膜に関しては, 透析前後でTM, TAT, PICともに有意に高値を示し, 血液透析により血管内皮細胞障害, 凝固亢進状態および線溶亢進状態をきたしたと考えられた.

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