日本透析医学会雑誌
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CAPD経過中に血性排液を繰り返した慢性関節リウマチ-続発性アミロイドーシスによる慢性腎不全の1例
桑原 隆吉永 尚子橋本 英隆田中 敬雄八幡 兼成菅原 照上田 恵松尾 孝彦
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1995 年 28 巻 10 号 p. 1383-1387

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抄録

慢性関節リウマチ-続発性アミロイドーシスによる慢性腎不全で, 腹膜透析に導入後, 種々の原因により血性排液を繰り返した1例 (48歳, 女) を報告する. 血性排液の原因は, 腹膜透析カテーテル挿入時にダグラス窩に卵胞出血による血性腹水の貯留, 術後抗生剤によるビタミンK欠乏, のちに第V因子欠乏による出血傾向による一時的なものに加えて, 月経排卵に伴った頻回なもの, および腹膜炎と多岐にわたった. また, 常にアミロイドによる組織損傷からの出血の可能性を有した. 慢性腎不全では抗生剤によるビタミンK欠乏, 第V因子欠乏が起こり易いので注意が必要であり, CAPD患者での血性排液はさまざまな原因を念頭におき治療を進めなければならない.

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