日本透析医学会雑誌
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CAPDでの溶質排泄量の推定
桜井 俊宏古谷 裕章田部井 薫浅野 泰
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キーワード: 排液, 至適透析
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1995 年 28 巻 11 号 p. 1421-1427

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抄録

CAPD患者の至適透析の指標としてweekly clearanceの測定は重要である. しかし, 外来患者でのweekly clearanceの測定では, 通常一日排液を持参させる必要があり, 通院患者にとってかなりの負担である. そこでweekly clearanceをnight timeの排液から推測できるか否かを検討した. 同時にPETの結果から, 尿素窒素 (UN) やクレアチニン (Cr) の一日総排泄量を推定できるか否かも検討した. その結果, UN, Cr, 尿酸 (UA), Kに関してはnight timeの濃度と総排液量から一日排泄量を推定することが可能であった. Na, Cl, Caなどのように元来透析液に含まれているものは, 誤差が大きく推定は難しかった. また, 蛋白, β2-microglobulin (β2-MG). では, 貯液時間の影響を受け, night time排液からの推定では過大評価してしまうことが明らかとなった. さらにPET 2時間値から計算したCrとUNの一日排泄量と実測値は密な相関を示し, 有用な方法と考えられた.

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