日本透析医学会雑誌
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血液透析患者におけるrecombinant human erythropoietin (rHuEPO) 投与時の血圧上昇因子
山口 洋司
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1996 年 29 巻 4 号 p. 277-283

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抄録

腎性貧血患者に対するrecombinant human erythropoietin (rHuEPO) 投与では貧血の改善なしに血圧上昇をきたす症例が認められる. 貧血を伴った20名の血液透析患者で血漿エンドセリン, レニン活性, アンギオテンシンI, アンギオテンシンIIを測定し, rHuEPOのこれら血圧に影響すると思われる因子に対する影響を明らかにしようと試みた. rHuEPO 1,500単位または3,000単位を週3回, 3か月間静脈投与した. angiotensin converting enzyme (ACE) 阻害剤の投与を受けていない患者を対象とした. 血液採取はrHuEPO投与開始前, 開始3か月後の早朝安静時に行った. 血漿レニン活性, アンギオテンシンI, アンギオテンシンII, およびエンドセリン濃度は, radioimmunoassay (RIA) にて測定した. 腎性貧血に対するrHuEPO治療により, エンドセリンは有意に上昇し, アンギオテンシンIIは有意に減少した. 一方血漿レニン活性, アンギオテンシンIは有意な変化を認めなかった. これらのことより, rHuEPO投与が透析患者のエンドセリンを上昇させ, 血漿レニン・アンギオテンシン系へ影響を及ぼしている可能性が示唆され, 血圧を上昇させる一つの要因として関わりを持っている可能性を示唆している. しかし, これらの因子のレベルは血圧が上昇した群 (10例) と血圧が上昇しなかった群 (10例) とでは有意差を認めなかったので, エンドセりンの上昇と生体の感受性の両者が関係するか, または, エンドセリン以外にその原因を求める必要があるかも知れない.

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