日本透析医学会雑誌
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非イオン性等浸透圧性造影剤, iotrolanの血液透析による除去性
草場 照代西川 泰彦松尾 良一山岡 早苗砥上 宏志
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1996 年 29 巻 6 号 p. 1087-1095

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抄録

非イオン性等浸透圧性造影剤iotrolanの血液透析による除去性について検討した. iotrolan (イソビスト280の100ml) を6人の慢性血液透析患者に静注後, 4時間の透析 (Qb: 200ml/分, Qd: 500ml/分) を施行した. ヨード (I), 尿素窒素 (BUN), クレアチニン (Cr), 無機リン (iP), カリウム (K) の除去率 (R) について調べた. さらに, 1時間目と4時間目のダイアライザー前後のそれぞれの溶質の除去率 (RD) とクリアランス (CL) を測定し, ヨード除去におけるダイアライザーの経時的性能評価を行った. また, 8人の健常者についても同様に検討した.
iotrolanは4時間の血液透析により74.2±7.4%が除去され, 3回の透析でほぼ完全に体内より排泄された. iotrolanは他の小分子量物質 (BUN: 64.2±7.8%, Cr: 58.8±6.7%, iP: 51.1±10.5%, K: 31.0±2.5%) と比較して, より高い除去率であった (BUN: p<0.05, Cr, iP, K: p<0.01). 健常者の4時間目除去率と比較しても遜色はなかった.
ヨード除去におけるダイアライザーの経時的性能をみると, 1時間目, 4時間目の除去率 (RD) およびクリアランス (CL) に有意な差はなく, 経時的劣化はなかった. また, 6例中1例に遅発性発疹がみられ, 治癒が遷延した.
iotrolanは血液透析により良く除去され, 中等度の遅発性発疹以外は重篤な副作用はなかったが, 血液透析患者においては, その排泄はほとんど透析に頼らねばならないことから, 血中ヨード濃度が遷延し, 遅発性副作用や未知の副作用の惹起も考えられ, 速やかな体外への排泄が望ましい.

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