日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
化膿性肝膿瘍再発例に対し, ドレナージ施行後, 胆嚢摘出術にて改善を認めた維持透析患者の1例
安森 亮吉松山 和弘渡部 純郎明石 光伸古城 正人石井 孝典友 雅司柴田 哲雄那須 勝
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 30 巻 12 号 p. 1387-1390

詳細
抄録

化膿性肝膿瘍は比較的稀な疾患で, 敗血症・DICなど重篤な合併症をきたし予後不良とされている. 症例は, 69歳女性. 原疾患糖尿病性腎症による腎不全にて, 週3回血液透析施行中. 平成6年12月17日頃より39℃台の高熱が持続し, 血液培養にてKlebsiella pneumoniaを検出し, 腹部CTにて多発性肝膿瘍を認め, エコーガイド下に膿瘍ドレナージ施行し改善を認めたが, 1年後, 急性腹症, イレウス, DIC等発症時, 再度化膿性肝膿瘍を合併したが, ドレナージ施行にて改善を認めた. 胆石症の合併があり頻回再発の可能性が考えられ, 根治のため胆嚢摘出術を施行し改善を認めた.
化膿性肝膿瘍に対して, エコーガイド下膿瘍ドレナージの有用性が示唆されたが, 胆石症の合併に際しては, 根治には胆嚢摘出術が必要であると考えられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top