日本透析医学会雑誌
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血液透析患者におけるレボフロキサシンの薬動力学
梅田 優泉 暢英山本 光浩後藤 毅野上 耕太郎三村 嘉寿男長谷川 宏之山田 明甫
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1997 年 30 巻 2 号 p. 109-115

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抄録

オフロキサシン (OFLX) の光学活性体であるレボフロキサシン (LVFX) の抗菌力, 薬物動態を血液透析 (HD) 患者で検討した. LVFXの阻止円面積は1-2μg/mlの濃度範囲内ではOFLXの約1.3-1.6倍を示した. HD時のLVFXクリアランスは平均113.6ml/min, ふるい係数は0.74でダイアライザー (FB 130U, PS 1.3UW) による差はみられなかった. LVFXクリアランス値は, urea, Cr, Pの実測クリアランス値のそれぞれ約64.1, 67.9, 66.0%に相当した. HD患者におけるLVFXの生物学的半減期は, HD施行時平均約6.3時間, 非HD時約55.4時間で, LVFX初期濃度とHDによる低下率, 半減期には相関性がみられなかった. LVFX隔日投与と4日連日投与群ではともにLVFXの血中残存がみられた. 4日間連日投与後のHD後LVFX濃度は1.34±0.60μg/mlであった.以上からHD患者におけるLVFXの薬物動態の特性が明らかになり, 短期投与時の投与法の目安として100mg 4日間連日投与が妥当であろうと考えられた.

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